オタク培養の恐怖

 キーワード「SAMURAI7」と「七人の侍」に言及してるダイアリをざっと見た。
 「七人の侍」を見てない人は「SAMURAI7」を褒めちぎってて、「七人の侍」を見たことのある人はかなり少なかった(少なくとも「原作を見たことある」ととれる内容のものは少ない)。
 いうまでもなく、深夜のBSでやってるアニメなんざ一般人は見てないだろうし、時間が時間なので社会人は明日のために睡眠を選ぶだろう。だからここ数日やってた「SAMURAI7」を見た人は大半が高校生くらいまでのオタクなんだろうとは思う。私は少数派の20代。
 んで、「七人の侍」見てないんだったら、若いオタクのみなさんは絶対見たほうがいいよ。「SAMURAI7」なんて、あんなもんを絶賛したりあんなもんに涙できるすぐれた感受性のまま、安いオタクであってはいけないと思うよ。「七人の侍」はハゲやヒゲや小太りや必要以上に泥臭い百姓ばっかしだけれども、それがいい、それでなくちゃいけない何かに溢れているのが、見ればすぐ分かるから。今の内に「才能のカタマリ」みたいな、(古臭く感じるかもしれないけれど)「名作」と呼ばれるようなものをいーっぱい見ておくといいと思うよ。別に映画に限った話じゃないけど。
 オタクが本気でオタクたらんとするなれば、純粋培養されるような今の環境じゃ本当はダメだと思うのですよ。きっとこの業界の未来は暗いよ。ビジネスとして、または社会的にオタク的なものが今以上に認知される可能性は大いにあると思うけれど、ここから天才は生まれにくいんじゃないかな。そう思う。
 「SAMURAI7」をさほど叩いているわけではありません。泥臭さのない農民描写や巨大ロボが米俵をかつぐさま等には思わず「はぁ?」と言いました(深夜に大声で)が、ウキョウというキャラクタがなかなか新鮮で魅力的でした。もうちょっと強いかと思ったけど(戦闘においてという意味ではなく)。キクチヨの、コマチとの会話や農民に演説ぶつシーンもいい感じ。でもやっぱし、全体的になんかうすいよね。