ゴーストワールド

前置き1:今日ちょっと凹むことがあって夕方に不貞寝した。朝おきたのが10時とかそのくらいだったのもあって、眠れないので折角だからとばかりに観賞。
前置き2:こないだ貼ったリンクはDVD版だったけれど、実際に借りたのはビデオ。おそらくビデオしかなかった。
前置き3:すすめてくれてid:dadakoさんありがとうございました。『バス男』もそうですが、借りるDVDを自分の意思のみで選んでいたらきっと一生見ていないかもしれない作品です。そう思うと、ただもう感謝するばかりです。
本題に入ります。
 面白かったです(つまんねー感想)。モラトリアムの問題も、オタクと一般人の住む世界の問題も、どちらも割と深刻に自分とかぶるので、要所要所で泣きそうでした*1
 これは完全に、ぼくやぼくのような人間のための映画であって、ぼくらがTVや情報誌の作る流行に愛された大多数の人々とはそう簡単に相容れないことを再認識するための作品であるように感じた。それは苦難の道で、下手をふめば誰もしあわせになれないような険しい現実でもあるけれど、それでも受け入れていかなくちゃいけない、変われる人間は変わっても、変われない人間は何か違うアプローチを考えなくちゃいけない、どうにもならなくてもどうにかしなきゃいけないという息苦しさが上手に表現されていたように思う。
 今でこそ、TVや情報誌に愛されなくとも、インターネットに愛されることでオタクと呼ばれる存在は一定の居場所を見つけた感がある。しかしそれらとは一線を画す場所にある、「文学*2」のようなものにとりつかれた人間にとって、決して魔法のように爽快な、簡潔なものではないにしろ、ひとつの救済として機能しうる作品なんじゃないでしょうか。
 なんかやたらに抽象的で恐縮することしきりですが、これでも無い語彙を必死で総動員して書きました*3

*1:鬱っぽかった時期を除くと、ぼくが映像作品で泣くことは全くといっていいほどない。

*2:これはぜーんぜん一般的な表現じゃない。ぼくがこういうのを「文学」と呼ぶだけの話。ぼくにとっての「文学」は「ひとりぼっちで何かひとつの事象に思い悩んで深みにはまっていく病のようなもの」のイメージ

*3:「いっしょうけんめいやったからほめてね」とは言いませんが、まあ、でもそういうことですね、これ。