怪奇!勤労感謝の日に勤労が嫌になった男

つい先日の転職フェアでは、明らかに人手が足りている総務事務も募集した。それは募集職種の欄に「事務」の文字があるのとないのとで求職者の食いつきがまるで違うからである。ぼくはそう思っていた。自分を含め文系で自己評価の低い人間や何の資格も持たない人間は、「総務事務」と聞くと誰でもできて厳しくない仕事だと錯覚する。ぼくの実体験からいくとそうである。そういう意味では今回の募集に「総務事務」を載せたのは成功ではあった。実際に人がたくさん来た。
しかし本当の目的はそうではないことが分かった。正確には、うっすらと不安に思っていたことが徐々に現実へと近づいてきた。
それなりに総務向きの人間が採用になれば、ぼくは別の部署に飛ぶらしい。ぼくは前述のとおり自己評価の低い資格を持たない文系であり、総務事務の募集だったからこそこの会社にいるのである。
何がどうって、ぼくも転職フェアで懸命に求職者を相手に勧誘していたのだ。ぼくはぼくを苦しめるために懸命に企業説明をしていたのだ。
ぼくは自分勝手ながら、ひとり上手ながら、裏切られたような心持ちで今日の仕事を、かといって手を抜くことなく、こなした。そして、しかし、だからこそ、このような精神状態での残業など耐えられそうにないと感じ、定時で帰ることにした。帰ってすぐにでも寝ようと。
はい、無理ー。会社に不良品がいっぱい返ってきて、会議室で選別ー。ていうか、全品OUTー。はい、全品修正ー。
そんな一日でした。てへっ。おやすみなさい。