唐突でメッセージ性のない昔話

むかし塾の先生やってたころの話。
わしはやってなかったのだが、他のある先生が生徒に百ます計算をやらせており、毎回タイムを計測していた。
んで、ある日その先生が「よーい、どん」と計算開始の合図をすると、女子生徒のひとりが「もう飽きた」と言い出したのだ。
よくよく聞いてみれば、百ます計算に飽きたのではない。「よーい、どん」に飽きたというのだ。
代替案として彼女が提示したのは「よーい、どんぱっぱ」だった。
それから先、その先生は律儀に「よーい、どんぱっぱ」という合図で生徒に百ます計算をさせており、ぼくはその度に吹き出していたのだった。