男は女の涙に弱いという話

23歳の女性に泣かれてしまいました。
ついおとといくらいに採用したパートの女の子(既婚なので、おれより精神的には大人かもわからんが)がね、事務所に来たんよ。ちょっといいですかっつって。廊下に呼ばれて立ち話。
「お腹いたいから早退させてください」って。ふーんと思ってさ。現場の人には話した?て聞いてもなんか煮え切らない返事だったのね。
「辞めるとか言わないよね?」って冗談のつもりで軽く言ったんさ。
そしたら泣いた。声は出てなかったけど、悔し涙ぽかった。
配置されたラインのほかの人たちがみんなすげーキビしいって。何も教えてくれないのに、失敗すると怒られるって。教えてもらおうと聞きに行くと、忙しいから他の人に聞けって言われるって。
実際、そのラインのオバサン連中がきつい人たちなのは知ってた。だから人を入れてもすぐ辞めるのな。面接して採用を決めるのは現場の長とはいえ、そんなとこにその子を送り込んだ自分にも罪悪感があった。
おもっきり通路だったのもあって、おれはどうしていいか分からんくなってオタオタしとったのだけれど、とりあえず、人を入れてもすぐに辞めてしまうようなラインだということ(だからあなたは悪くないんだよということ)、こんな会社でごめんねということ、変えたいとは思っているのだけれど、しょせん総務なんて間接部署は製造サマの生産活動で生まれたおカネで食わせてもらってる身分なので発言権がないんだということ(おれは別にそう思っていないが、そんな扱いなのだということ)、いろいろ説明して、とにかく、いいから、泣きやんでおくれーーーと思ってあたふたしてた。しどろもどろだった。
よしよし、あなたは悪くないよ、なんて頭をなでたり、ぎゅってしてあげたい衝動にかられた(きめぇ)が、その子の左手の指輪がおれの理性を保ってくれていた感じ。相手は人妻で(この発想がきめぇ)、頭をなでてあげたりぎゅってしてあげる係の人が他にいるんだから、それはおれの仕事じゃない。
何の話かって、いつの時代も男は女の涙に弱いというのが本当かどうかは知らないが、おれは本当に女の涙に弱いということが分かった。
いそがしい→世話を焼いていられない→新人やめる→人が足りない→いそがしい。
いそがしい→いろいろ教えてあげて新人を戦力に→人手充足→いそがしくなくなる。
ちょっと考えれば分かりそうなもんなのにな。今こそ新人をちゃんと育てることが大事だっての。
結局その子には配置転換を申し出てみたが、「ちょっと考えてみます」っていわれた。返事待ち。たぶん辞められちゃうんだろうなぁ。
ほんと、ひどい会社でごめんなさい。
んでその子を会社玄関まで見送ったのだが、別れ際に「id:suzukisuzukiさんに会えてよかったです」とか「やさしいのはid:suzukisuzukiさんだけです」とか、発言だけ拾うとかなりアレなことを言われたので、ますますもって心苦しくなったりしている。早退でタイムカードを押しながら、その子は震えてた。寒いからか、それ以外の理由からかは、わかんなかった。
まったくひどい会社でひどい目にあったもんだ、とか過去の話にできるように、彼女のその後がうまくゆきますように。