サナギさん(1)
- 作者: 施川ユウキ
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: コミック
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んーと、「がんばれ酢めし疑獄!!」のときは、非常につかみどころのない、不条理も含む奇妙な作風だったのが、だいぶこなれた感じになっててよいです(私は「酢めし」も好きですが)。
子供の頃のふわふわした空想のなつかしさと、言い回しのうまさ。これが2大ポイント、肝です。たぶん。「子供の頃ってよくこんなくだらない空想遊びしたなぁ」っていうあるあるとノスタルジー、「AだけにB」っていう掛詞(?)の巧みさ。このへんが両方ともぐっときます。
チャンピオン連載時も今もいちばん爆笑したのは「No.20サナギさんとフクロウ先生」。たまらん。マナミさんも好き。(「酢めし」は「人間国宝」がクリーンヒットです。)…自分で挙げた2大ポイントとかすってもいねぇ。
逆に個人的に望ましくないのは、牛とかパンダの回。あと中村ゴウスケ。ネタとしてはおもしろいんだけど、世界観が「酢めし」っぽい。せっかくキャラものなんだから、その路線をはっきりさせてほしかったりします。ゴウスケは「時々脳内に謎キャラが現れ話しかけてくる」って設定がやはり「酢めし」っぽくてうれしくない。まぁ、全然ダメ!って思うわけじゃないけど。
あとがきがかなり名文。幼き日の空想に溢れた日常がいかに幸せであったか思い知る。自分だけかもしれないが。