予知夢の話

 これまで付き合った女性にしか話してこなかったけれど、私は無価値な予知無をたまに見る。
 いわゆるデジャヴ(既視感)ではない。実際に夢に見る*1
 いちばん極端な例を出しておく。中学くらいのときに「自室で、見たこともないドテラを着て、新品の灯油ストーブにあたり、持ってもいない奥田民生のCDを聞きながら勉強をしていて、さらに突然笑い出す自分」という夢を見た。
 高校生になって、父が癌だと分かりずっと家にいるようになり、いつも寒がってドテラを羽織っていた。父のために新品のストーブが購入された。すでに夢については忘れている。
 受験生になるころには、父は入院。冬になりドテラとストーブは私に回ってきた。
 私は勉強嫌いで、本当に嫌々ながら受験勉強をちょこっとだけした。音楽でも聴かないとやっていられないくらいに面倒くさかった。手持ちの音楽CDに飽きた頃、姉にCDを借りることにした。その中に奥田民生はあった。
 そして、「自室で、見たこともないドテラを着て、新品の灯油ストーブにあたり、持ってもいない奥田民生のCDを聞きながら勉強する」タイミングがきた。
 「あ、夢と一緒だ」と思うと何だか馬鹿馬鹿しくなって、大笑いをした。笑いながら「こわっ!」とか叫んだのも夢と同じだった。
 友達がいないので、これまで付き合った女性に冗談交じりに言うくらいしか機会がなかった。
 元彼女と付き合って、幸せの絶頂にあったとき、今日の夢を見た。
 確か彼女には話したが、きっと覚えてないだろう。「私が彼女にふられてしばらく経っている」夢だったと言おうとして、たとえ夢でもそんなこと言うもんじゃない、と自分で感じたか彼女に言われたかしたと思う。他に「今日見て文学的美しき救済のようなものを感じたブログの名称」「自分がネットで日記をつけている」ということが記憶と一致している。
 何ですかこれ?未来の記憶ですか?THEビッグオーですか?メモリーに振り回されるロジャー=スミスですか?
 それとも世界は一巡したあとなんですか?全て覚悟しているんですか?ストーンオーシャンですか?素数を数えた方がいいですか?(しなくていいよ)
 こわいようこわいよう。せめてもうちょっと意味のある予知夢にしてほしーね。災害とか、ギャンブル予想とかさ。

*1:夢に見ることを「実際」と表記するのに抵抗はあるが