モンスターハンター2感想

モンスターハンター2(ドス)(通常版)

モンスターハンター2(ドス)(通常版)

 オフで全種(亜種のぞく)討伐終了さらに道場師範の称号を得たので、そろそろ一度感想を書いてもいいレベルだよなぁということで感想。オンはランク27かそこら。わりと廃人ですかね。
 文句多めなので、不快に感じられる方は読まないほうがいいかもしれません。
 新要素、アイデアはいい。活かすのがちょう下手。それはちょうど、豪華食材を使って不味い料理を作るようなもので、なかなかどうしようもない。
 季節と昼夜は、発想としては妥当であり(リンダキューブの段階ですでに実装されているわけだし)、うまく機能させればたいへん面白いものになっていたと思う。しかし実際には、雑魚敵の配置とごくごく一部の地形、見た目は変わらないのに採取アイテムが変わるだけという、ステージの箱庭感をいっそう強めるものだった。完全に逆効果。見た目の変化に乏しいけどアイテムだけ違うなんてのは、人を楽しませる気が本当にあるのかよ、苦労させたいだけじゃねーか、という印象を持たれても仕方ないことくらいわからんのだろーか。あと温暖期の砂漠でも寒冷期の雪山でも行けたほうがいいに決まってるのに。そのかわり、それこそ正気の沙汰とは思えない難易度で。人間様の文明力があらゆるものを開拓する、つーのがMHシリーズの気概でしょうが(勝手に決めた)。花が咲いたり、草木が枯れたりしないから、季節の変化がほとんど感じ取れない。夜の狩りなんてもっと危険でいいと思う。夜行性の、夜だけ出るモンスターとか置いて。強制的に夜になるんじゃなくて、常に昼、任意で夜にも狩りにいける(ベッドで調整)仕様で。
 新武器もめっちゃワクワクした要素だったのに、バリエーションがやや少なめ。しかも総じて調整が甘い印象。使用武器による格差がけっこうひどい。
 新しいモンスターはみんな異常なスピードや追尾性能の高い攻撃をもっているため、片手剣でないとそう簡単に立ち回れない(とくに一人のとき)。2からの初心者を楽しませる気があるんだろうか。最初のクエストで雑魚ヤドカリに殺されて投げるんじゃないかと心配で仕方ない。コンガとババコンガは世界観に合わないように思う(これはセンスの問題なんだけど)。あの色とかね。説得力が(無印の世界観に比べて)うすい。
 ぼくが(勝手に)MH無印から感じ取った世界観というのは「自然に対する畏怖や尊敬(原始的な崇拝)と、人間様の文明力による支配との対峙」とでもいうようなものだったので、全体的にみて何となくうすっぺらくなっちゃったなぁと。まぁ勝手な期待が勝手に裏切られただけなんだけれど。
 進化収斂説?とかなんとかいう、似非説得力のある設定が大好きだったのに、今回からの新モンスターは何とも微妙。多種多様というほどバリエーションがあるわけでもなく、ヤドカリと猿。古龍種は災厄のごとく扱われ、という設定には非常に期待したが、街門のじいさんが「よくわからんモンスターはみんな古龍種じゃ」みたいな世迷言をのたまったので、激しくどうでもよくなった。
 大闘技会は結局のところ早狩り競争でしかない。ローカルルールで仲間内で遊ぶにはいいからアリだとは思うけど。そもそも人は飛竜を恐れていたんじゃないのか? まぁ人間様の自然支配も来るところまで来て、飛竜なんてペットみたいなもんにできるレベルに達したということなのかもしれん。
 防具強化は「この防具が弱いけど見た目に気に入ってる」というこだわり派にはいいんだろう。しかし着せ替えの手軽さを奪う結果になってる。「いちどこの格好作っちゃったし、新しいの作るよりは強化したほうがいいよな」という流れは、見た目の変化を少なくするから飽きを加速させると思うんだけど。
 サブクエスト制は、悪くはないけど、ある種のランダムな楽しさを奪っていると思う。例えばキノコ採集してたら飛竜が来てうぎゃーとか、逃げ惑う楽しさ(?)みたいなものがなくなっちゃった。もともと「○○を狩るぞー」って行くと絶対にいて、っていう運び自体が自然を相手にしたときに妙なわけで、「あっ○○がいた!よしあいつ狩るぞ!!」みたいな流れは体現できないものか、というのは前から思ってたんだけど。

 大雑把にまとめると、「売れたから続編作った」感がわりかし強い。しかも無印が持っていたいいところを殺すような作り方をしている気がする。さらには「いかに少ない追加で大きな変化をつけるか」というよくわからん努力が念入りになされている。
 それでも面白い。それは素材がいいからである。おしまい。