無題

 鬱でキモい最低な自己弁護自分語りをする予定なので、続きを読む記法にしておきます。リアル知人は読んだらマジで引くと思うので自己責任でどうぞ。(もう十分すぎるほど引かれている可能性のほうが高いのだが)
 ぼくが「感情とは押し殺すべきものである」という人生哲学を知らぬうちに抱え込んでいたことに本格的に気づいたのは中学生のころで、ではそれがいつごろには萌芽していたのかといえば、保育園のころにはその片鱗があったと思われる。
 原則としてあらゆる感情は押し殺すべきものであって、相手に自分の気持ちを悟られるなどというのは全くの恥。押し殺しても押し殺してもそれでも湧き上がるような想いこそが真の感情なのであって、ぼくが何を思い、考えて生きているかは誰にも知らせてはいけないし、知られてもいけない。最小限の主張しかすべきではない。そう思っていたのだ。割とマジで。
 いわゆる古風な日本人的思想のようにも思えるが、別にそれが根源にあるわけではなさそうだ。だれかからこういった生き様を学んだ覚えもない。それこそ、精神的「ぼく」の誕生とともにそれはあったかのようにさえ感じられる。
 当然のように友人はほとんどできない。小>中>高とガンガン減っていく。それでもこの思考のクセは揺るがなかったし、それどころか支えになっていた。「それでいいのだ」という根拠のない信念がぼくを支えていたのだ。
 大学でも、はじめのうちそれはほとんど変わらなかった。
 過程はあえて略すが、恋人ができた。大学の同期同コース。似たもの同士だった。はっきり違ったのは、ぼくは自分が大好きで、彼女はコンプレックスの塊だったこと。「誰とも分かり合えない世界」を自分の意志で選んでおいて、そのさみしさを紛らわすという矛盾のために一緒にいた。
 そのうち、卒業や就職が本格的に視野に入るころ、この信念は挫折以外に何も産まないことが容易に予想できた。鬱の芽が生えた。同時に、それだけが支えだったから、そりゃあもう、いつでも死ねた。
 ふたりして逃げた。休学した。彼女はぼくの家にひきこもり、眠れば必ず悪夢を見、よく死にたがった。ひとりにしておくと激しい不安におそわれるようだった。ぼくは塾で中学生をからかって生活費を稼いだ。卒業や就職に対する、ぼくらなりの、無能な抵抗だった。
 彼女は実家に休学したことを黙っていた。そのまま(休学していなければ)卒業していたはずの時期を迎え、彼女は地元へ帰ることになった。そしてコンプレックスのひとつであった、歯列と顎間接の手術のために入院することになった。
 ぼくはリセットボタンを押した。引っ越した。塾で中学生をおちょくり、生活費を得た。彼女とは電話で些細なことから喧嘩になり、連絡は途絶えた。
 彼女との連絡を取らなくなり、ぼくは2つの相反する感情をもった。「彼女はぼくの心無い一言がもとで自殺でもしてしまったかもしれない。心配だ」そして「呪縛がとけた思いだ。大学に戻る気こそないが、人生やりなおすチャンスだ」自分でも最低だと思うが、そう思った。前者をとれば予感的中が怖くて連絡を取れず、後者をとれば連絡を取るわけもなかった。
 ぼくに塾のバイト先を紹介してくれた女性(大学の同期同コース)もまた塾でバイトを続けていた。公務員浪人というやつだ。リセットボタンを押したぼくは、自分を変える努力の一環として、人を家に招くようになった(とはいえ塾の関係者だが)。その中にこの女性も含まれる。
 この女性は、友人と2人で暮らしていた(のちに3人になったりもした)。友人というのも
ぼくと大学の同期同コースだ。彼女もうちに遊びに来るようになった。彼女は当時大学院浪人〜合格〜入学までの暇な時期で、そのうち一人でうちに来てくれるようになった。
 マジで恋に落ちた。傷を舐めあうような鬱な恋愛ではなくて、あたたかくて、まぶしくて、やさしくて、しあわせな恋愛ができると思った。告白した。つきあった。彼女の助言でぼくは復学した。卒業に専念するため塾もやめた。彼女は進学し、遠距離になった。
 ぼくは馬鹿だった。ぼくの中にしぶとく残った鬱の根っこを、彼女がその後光でもって全て取り払ってくれる。菩薩さまのごとき(都合のいい)存在だと、そう思い込んだ。すがった部分があった。依存した。喧嘩した。反省した。仲直りした。
 遠距離になってからというもの、互いの距離感はゆっくりと狂い、ぼくは彼女と交際する前のぼくに戻りつつあった。冷たくてひねくれたぼくに。そして数ヶ月ぶりに会えたその日に彼女を怒らせ、結果として別れることになった。大学に行かなくなった。
 そしてぼくの中の鬱は大きく成長した。ブログを書き始めた。全削除したり、復活したりした。塾で中学生を馬鹿にしてためた金で、社会的にひきこもった。
 春になって、またリセットを押した。鬱なりに卒業のため大学へ行き、鬱なりに考え、公務員になろうと勉強したりもした。近畿で受けた公務員の試験はどれも実らず、地元へ帰る決心をした。
 半期卒業。地元市役所の試験は最終まで残り、地元へ帰る。最終に落ちる。絶望感の中でだらだらと職を探し、現在の職に就く。
 ぼくが先天的に黄色いオーラのハッピーマンだったとしても、それを自分で抑制してロボットのように生きてきたというのは間違いなくて、だからアタリとかハズレとかはまぁ置いておく。
 ぼくがここに噴き出すように感情を垂れ流しているのは事実だけれど、そのスイッチを入れてくれたのはステキな、あたたかくて、まぶしくて、やさしい恋愛の相手であった女性なのです。つまりここ数年のことなのです。
 だから、彼女に振られてはじめたこのダイアリだけを見たぼくのキャラクタと、僕自身の思うぼくのそれとの差は、ブログのぼくとリアルのぼくの差と同じか、それ以上に大きいのです。
 こんな内容ここに書ける神経のぼくが信じられない人も大勢いるかもしれません。ぼくも書くか迷った部分が多いのですが、ぼくの感情の根源について自分で整理する意味も込めて書いてみました。気が変わったら記事ごと削除するかもしれません。

 最後に3つほど。1つめ。ぼく以外の登場人物(女性3人)がすべて「女性」とか「彼女」とかの表記でややこしくなっています。たとえばABCなり123なりと付けることもできるわけですが、例えばぼくが誰かの人生に大きく関わったとして、その誰かが人生を語るときにぼくがAだのBだのとして誰かと並列に扱われていたら不快なのでやめました。さらにかなりプライバシー侵害な内容なのでイニシャルとかもやめました。2つめ。ぼくの文章が下手なので鬱な空気が伝わらないかもしれません。ごめんなさい。3つめ。大学の同期同コースばかり出てくるあたりにキモさを感じる人もいるかもしれませんね。うまれてごめんなさい。実は過程はあえて略したところにも大学の同期同コースの女性が出てくるのですが…。ただ、ぼくがプレイボ一イ的に手を出したり出されたりしているのではないのでご理解ください。もてている、というのも違うと思います。