りあるライフ

ぼくはしょうもない工場で総務という名の雑用係をやっている。そして同じ総務課にいながら、仕事は入荷・出荷の伝票入力のちょいウザ女性事務員がいるのだけれど、またその人の嫌われっぷりエピソードを聞いて、いたたまれなくなった。
隣の課の女性事務員(あけっぴろげな感じのひと)からものすごく嫌われていて、専務にちくり入れられてるのは知っていたが、その友人の総務の無口な女性事務員にも嫌われたおしていたのだ。無口さんはその無口ゆえにあけっぴろげさんのイエスマンをやらされているだけで、ちょいウザの人については何も思ってないものと考えていたが、無口さんは毎日、心底うんざりしているということが分かってきたのだった。
無口さんは仕事は仕事と割り切ったタイプのひとで、定時きっかりに帰る。だからちょいウザさんやぼくなんかが無駄話や仕事外のことをしている、それが彼女を苛立たせるようなのだった。
とはいえ、これはちょいウザさんも悪いが、無口さんも無口すぎて困るシーンが多々あるので困った話なのだ。
例えば他の課の人が、総務にしか分からないことを聞きに来たとする。
ちょいウザさんに聞くと、1つ知りたいことにゴテゴテと10くらいの補足と、10くらいの余談と、10くらいのちょいウザさんのプライベート話がついてくる。
無口さんに聞くと、1つ知りたいことの断片的なキーワードが、ちっちゃい声で0.2くらい、単語で与えられる。
(もうひとりの、何だかのほほんとした女性事務員さんに聞くと、「さぁー、どうなんでしょうねぇー」となり、答えは得られない。)
ともかく、ちょいウザさん(やぼく)の言動が無口さんの神経を逆撫でしているらしいということに、ぼくはびっくらこいたのでした。
ちょいウザさんは、そのちょいウザっぷりをフルに発揮しており、いろんな部署で、特に偉いさんと女性事務員にまんべんなく嫌われているのであった。(ちょっとウザいが人当たりはよいので、現場のパートさんには受けがいい。)
偉いさんとしては、手っ取り早いのはクビなのだが、ちょいウザさんは会社の近隣に住んでおり、うちの会社は叩けば埃がいっぱい出るし、あらぬ悪評を吹き込まれる恐れだってある。過去に一部の偉いさんと何やらあった?という説もあり、できないんだそーだ。
で、「人と金に関わる仕事にはつかせるな」という、総務としては致命的な枷のもとでちょいウザさんは他の課の仕事をしており、そのせいもあって空き時間ができ(日単位のルーチンだから)、その時間でほかごとをやって、無口さんを苛立たせる。わりとどうしようもない状態なのであった。
困っているのはうちの上司で、胃が痛そうであった。「女が3人いると1人は必ず疎外される」みたいなことを言ってた。
とりあえずぼくはまじめに、しずかに仕事しようと思った。明日から9連休だけど。