無能日記

おれの仕事のうち、非ルーチンかつ単発の仕事、すなわち偉い人の気まぐれに付き合わされるタイプの仕事のおおむね7割から8割程度は徒労に終わるのだ。最初から結果が見えているのに「やってみたけれどダメでした」というのを示さねばならず、そのためにくそめんどくさい仕事を強いられる。不毛とはこのような状況をいうのだ。
それで給料がもらえることを喜ぶべきかどうか複雑である。まったくの生産性を伴わないことに心底うんざりすることもある。
何より、おれ自身の成長が望めない。いや、別に望めないことはないんだろうが、初めから「やってみたけどダメでした」というための材料を支度させられている手前、モチベーションが上がらない。よりよい結果を導く試行錯誤や、実現のための努力というものが不要か、かぎりなく不要に近いので。
もちろんそれは発想の転換の問題であって、偉い人に「やってみたけどダメでした」といって納得してもらうのがゴールなのだから、よりダメでした感が強まるための方策であるとか、こんなにがんばってみたのですがダメでしたというような実現法もあるのかもしれないが、はたしてそれはどうなのか。少し悲しい気持ちでつまんねー仕事にいそしむおれ。沈む船に最後まで残ってバケツで水をかき出す人になった気分。