夢見がちなぼくら

 爆笑オンエアバトルとかいう番組があるじゃないですか。「史上最もシビアなお笑い番組」とか何とか自分でいう、あの番組です。
 その「史上最もシビア」な部分というのはつまり、あの多数決システムのことですよね。
 10組のお笑い芸人が会場でネタを披露。観客のポイントでもって多数決を行い、上位5組だけオンエアするよ、というやつですね。
 個人的にはむしろ、落ちた5組がシロートから(ジャッジペーパーという名の)ダメ出しをくらい、敗戦の弁を述べるあたりのほうがシビアだと感じたりもするわけですが、まぁ本題からそれるのでよろしい。
 このようなシビアさというのは、ルールがルールとして厳然たる状態で守られているからこそ成立するのです。「今日は10組オンエアしちゃおうかな」とか気まぐれで言われるようなら、史上最もシビアではなくなってしまう。
 よって、芸人はそのシビアさを逆手にとってやればいいのです。
 具体的には「放火」「未払い」「海老沢」「着服」などのキーワードを多用したネタを披露すればいいのです。ただし、受けてください。5位以内に入ってください。
 「史上最もシビア」であるとの自負が本物であるなら、NHKはそのネタのオンエアを止めることはできないのです。もし止めたならば、そのとき「史上最もシビア」ではなくなるのです。シビアである、というのはそういうことなのです。