悪人と神の存在について

電車に乗っていると、頬に大きな傷のある女性がいました。
女性は目つきの鋭い、かなりの悪人顔でした。ぼくは「悪人顔でよかったね。優しい顔で頬に傷があるなんて最悪だ。神様は『頬に傷ができる』という運命を見越したうえで、あえてこの女性を悪人顔にしたのだろう。神様も粋なはからいをするものだ」と思いました。
しかしよく見ると、頬の傷だと思われたものは頬に張り付いた髪の毛でした。そして(残念ながら)よく見ても、悪人顔は悪人顔のままでした。
いや、きっとあの女性は近い将来、顔に傷がつく運命に違いないのです。そうでなければ、悪人顔の女性が悪人顔であることについて、ぼくは神様を恨むしかないというものです。
というかよく考えてみれば、女性の顔を悪人ぽくする前に、頬に傷がつく運命を変えてやればいいのです。
神様はもうちょっとがんばれ。地球なめんな。あと電車で会った女性ネタにしてごめんなさい。